染色Q&A

このページはお客様からの質問を集めたものです。

Q1.以前に買ったブラウスを染め替えたいのですがどうすればよいか教えて下さい。

A1.まず、染色するためには素材が何かが判らないとどうしようもありません。
  シルクなら酸性染料、木綿なら直接染料か反応性染料、化繊(アクリル.ポリエステル)なら
  分散染料ですが化繊は家庭では特殊な装置がない限り染められません。
  また、素材が判っていても濃い色を薄い色や反対色にする事は不可能です。
  あくまで染め替える場合は元の色よりも濃い色にしてください。また、原型のままで浸け
  染めする事になりますから、型が崩れたり、縮んだりすることも覚悟の上で挑戦してください。
  染め方は、ブラウスの重さがわかればある程度染料の量が出ますので、
  その染料からお好みの濃度の染料液をつくり、その中に30分浸けてぐらぐら炊き、後に水で  3%にうすめた定着液のなかに1時間ほ  ど浸しておいてもう一度水洗いをすれば出来上  がりです。

最初に染める物の重さを量ります。
次に色の濃度(濃さ)を決めます。最高は7%までです。
濃度が決まれば染料の必要量が出ます。

    重さ×濃度=Xg

 例えば 1Kgの生地の場合 1000gX3%=30g

染料の量が決まれば生地の重さの15〜20倍の水を入れた容器に
生地を入れ、予め別の容器にお湯で溶かしておいた染料液を入れます。
約30分間ぐらぐらとかき回しながら焚いてください。
水が透明になったら火を止めて自然に冷めるのを待ってから、
予め作っておいた3%のフィックス液(定着液)に30分〜1時間ほど入れ、
取り出してから水洗いをして出来上がりです。             
  

  

Q2.家庭でろうけつ染をしたいのですが、何とどんな注意が必要ですか。                 

A2..ろうけつ染の材料としては、染料、ろうけつ筆、刷毛、容器、ロウ、電熱などが必要です。
  染める素材によって染料が決まりますが、染料は基本的に3色あれば出来ます。
  ロウで描いてから割れを入れ、引き染めをして、ロウを落とす方法でしたら容器は染料を溶く  ものとロウを溶かすものと必要です。 ロウの場合火が入ると危険ですので、湯煎の方法を  とります。ホーロー容器を二重にして(大の  中に中を固定して)、中にロウを入れ、回りに  水を入れて電熱で暖めてロウを溶かして描きます。ロウで模様が描ければ、ロウに割れを入  れてから、引き染めをして乾いてからロウを新聞にはさんでアイロンで溶かして落し、蒸し箱  に入れて30分以上蒸し、水洗いをして出来上がりです。
  また、何色も使って染める場合は何度も染め、脱ロウを繰り返します。
  まず、生地に鉛筆か下絵用の青花ペンでアウトラインを描いておいてから、 ロウで模様が  描ければ、彩色をして、ロウで伏せ、また、別の部分を彩色して最後に全体を、引き染めをし  て、乾いてからロウを新聞にはさんでアイロンで溶かして落し、蒸し箱に入れて30分以上蒸  しをし、水洗いをして出来上がりです。但し、家庭で上記の事を行うのは大変な作業です。ロ  ウを落とす事は同じですが、蒸しをせずに染めたい場合は反応性染料を使います。染め方  は同じですが、蒸す代わりに、フィクサーという定着処理を行います。染色、脱ロウ、ソーピン  グ(石鹸煮)、水洗い、出来上がります。詳しくは「染色の技法」または「現代の染め」にでて  いますのでお読みください。

 

Q3.ぬいぐるみに色を付けたいのですが出来るでしょうか。

A3.ぬいぐるみの場合は浸けたり、蒸したりする事は出来ませんので乾くだけで色が落ちなくな  るアクリル系の顔料を使います。従来のアクリル顔料は生地がごわつくなどしてあまりお勧  めできませんでしたが、最近当社でお奨めしているpebeo社のsetasilkは非常に風合いが柔  らかく、粘度のない液体状ですので毛の根元まで塗る事が出来、生地も硬くならないのでこ  れで上手くいけるはずです。詳しくはpebeoのページを御覧下さい。

 

Q4.白のTシャツに墨で絵を描きましたが、そのまま何もしないで大丈夫でしょうか。

A4.墨絵の件ですが、墨は本来落ちにくいものですから、先にのり落しをしておけばそれで大丈
  夫なものですが、洗濯しても大丈夫かと言うとだんだんと薄くなります。対策としては墨に定
  着用の樹脂(バインダー)を入れていただくか、墨を磨る時にアルピュ‐メンと言うたんぱく質
  の粉を一緒に  混ぜてすって、描いたあと蒸しをするかのどちらかです。前者のほうが簡
  単ですが入れすぎると墨絵の部分がごわつきますので墨液に3%程度加えてください。
  乳白色ですが乾くと透 明になります。 

Q5.混紡(綿とポリエステル)の素材の染色はどうすればよいのでしょうか。

A5.木綿とポリの混紡の染色ですが、基本的には木綿は直接または反応性染料で染め、ポリは
  分散染料で染色しますが、混紡の場合は2度染めになります。
  まず先にベストポリ染料でポリエステル(アクリルは不可)を染色した後、一度乾かしてから、   木綿部分をベストポリ、またはRIT染料で染めると両方染まりますが、これが通用するのは  黒か紺位です。他の色は染め付き方が違うので同じ色に合わせるのは難しく、濃淡の染め  むらになることが多いです。 2度染めることでの風合いについては殆んど問題ありません。